キャットシッターはるた 猫のシルエット

WritingNYレポート

2002年7月5日から15日まで夫の公演に同行し、ニューヨークに行ってきました。気温が上がり夏真っ盛りでしたが、日本と違い湿気がないのですごしやすかったです。テロの後で治安は非常に良くなったようです。地下鉄は人で一杯でした。私もメトロカードを購入し何度も利用しました。乗りなれればニューヨークの地下鉄は分 かりやすく便利です。「ねこじゃら通信」ニューヨーク番外編をお届けします。

Tom

Tom

7月6日

地下鉄(5)ラインに乗ってグラウンド・ゼロへ。
ぽっかりとあいた貿易センターの跡地に鉄骨の十字架がモニュメントとして残されていた。静かに黙祷。ニューヨークの街のあちこちに自由、勇気の象徴の星条旗がかかっていた。今回夫の公演「太平洋序曲」でも巨大な星条旗が出てくるが、ここでの星条旗は別の意味合いがある。ニューヨークタイムスの批評家ベン・ブラントリー氏の劇評は興味深い。
ナチュラルフードショップ

ナチュラルフードショップ

7月7日

ホテルの前で、スタッフ時代にお世話に伺っていたキャロルさんにばったりお会いする。邂逅の不思議さよ! 96丁目のペットフード店「Little Creatures Natural Pet Food」へ。 このお店はナチュラルフード専門店。「ニュートロマックス」「ネイチャーズレセピー」「ナチュラルチョイス」などが日本よりだいぶ安く売っている。缶詰、ドライは半々くらい。やはりアメリカ、主流はターキー、サーモン、チキン、ビーフ・・・。我が家の猫たちにもお土産に缶詰を購入。

店の奥から現れるは8キロの巨漢猫、Tom君(7歳)。フレンドリィでねこ友にもすぐにじゃれてきた。なかなかの接待上手猫。

Bide A Wee

Bide A Wee


38丁目にある「Bide A Wee」を訪ねる。ここはクリニック併設の里親捜しセンター。レゲエ風のお兄さんが犬エリアを案内してくれた。6匹が待機。なかでもグレーの毛色のサムが静かに甘えてくる。「そいつ、いいやつだろう」とお兄さん。続いて猫エリアへ。30余りのケージに里親を待つ仔猫から成猫までがいる。兄弟猫5匹(2ヶ月くらい)が同じケージにいた。毛色は白黒が多い。FIVの猫が一番広いスペースにいたのが印象的だった。引き取られる時は、仔猫は大抵2匹づつか、すでに猫がいる家庭が多いようだ。
FIVの猫

FIVの猫

7月8日

86丁目にある巨大ペットショップ「PETCO」に行く。ペットショップといっても日本のように生体は扱っておらず、フード、砂、おもちゃ、ケア用品がリーズナブルだ。猫砂は日本でも売っている「EVER CLEAN」などのような固まるタイプが多い。巨大スコップで量り売りするコーナーあり!ちなみにシェルターではおからチップのようなのを使用していた。ここでもフードはナチュラルフードがほとんど。

92丁目にある「ASPCA(The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals)」を訪ねる。 ここは野良犬、野良猫、飼い主から虐待を受けたペットを保護する団体。「血統書つきの犬、猫」はブリーダーから、そうでない人は(こちらが大多数)シェルターから引き取る。手順としては、事務所カウンターに行き猫を引き取りたい旨を告げると申しこみ用紙を渡される。氏名、住所、電話番号、職業、1日に最高何時間家を開けるか(猫が一人きりになる時間)、そしてもうひとつ電話番号を聞かれ、この番号の人に本人が待っている間に事務所の人が人格などを聞き猫と暮らす資格があるか確認するそうだ。
PETCOの広告

PETCOの広告


ASPCAも犬、猫エリアが分かれている。受付で「猫が見たい」と告げると案内してくれた。清潔なケージに一匹づつ入っている。左上に「Animal ID」カードがかかっている。カードには「Hi my name is MADDIE」という書き出しで捕獲場所、日時、毛色などが記されている。最近はオス/メスの代わりにNeutered(去勢済み)、Spyed(不妊済み)と表示しているそうだ。30のケージに仔猫から8歳くらいまでの猫が里親を待つ。2才から4才が一番多い。引き取る場合、仔猫は125ドル、成猫75ドルの寄付金を払う。「ニューヨークには野良猫を全く見ないけど」と友人に聞いたら、「野良やケガした猫を見つけてASPCAに連絡すると15分でやってきて保護していく」という。対応が素早いのに感心してしまう。
ASPCAの正面玄関

ASPCAの正面玄関


ASPCAのある場所から南に下り62丁目のはずれにある「The Animal Medical Center」へ。動物関連施設はなぜが西の外れに多い。待合室をのぞくと心配そうな面持ちの人が7〜8人待っていた。 Visiter88ドルとある。アメリカは基本的には人も動物も治療費は高いようだ。100名近い獣医師の名前が載った案内板があり、歯科、内科、外科、皮膚科、眼科、・・・と分かれているのがすごい。ここでは、老齢者(62歳以上)の飼っているペット(一匹まで)が病気になった時は無料、もしくは助成金を出し治療を提供するプログラムもある。
マチルダ

マチルダ

7月10日

有名な作家、批評家が利用し文学ホテルの代表といわれる44丁目5番街と6番街の間にあるアルゴンキンホテルの猫を訪ねる。2代目マチルダはコンシェルジェの横、専用ベッドでぐっすりお休みしていた。カウンター越しに写真を撮らせてもらう。

7月12日

インターネットの猫シェルター検索で知り合ったニューヨーク在住の一葉さんとチャイナタウンでランチをご一緒する。チャイナタウンは熱気であふれ、中国人の底知れぬパワーに圧倒される。市場でロブスター3尾8ドルを見て夫がヨダレをたらす。
ユニオンスクエアの猫草ショップ

ユニオンスクエアの猫草ショップ

7月13日

ユニオンスクエアのグリーンマーケットへ行く。 月水金土の朝8時から夕方6時まで、お隣のニュージャージーから農家の人達が新鮮な野菜を売りにやってくる。ここで猫草発見!3ドルは高い!ちなみに相武台では150円。でもベタベタと貼ってある「猫草大好き」というメッセージ入りの猫写真が見ていて楽しかった。

ユニオンスクエアのリンカーン像の前でマンハッタナーズでおなじみのニューヨーク在住の画家久下さんと待ち合わせ。ここから歩いて10分くらいのところのアトリエ兼ご自宅へお邪魔する。久下さんの絵のモデルになっている猫たちが玄関ホールでお出迎え。
お気に入りの場所からこちらを見るフェデリコ君

お気に入りの場所から
こちらを見るフェデリコ君

ねこ友にじゃれるミケランジェラちゃん

ねこ友にじゃれる
ミケランジェラちゃん


「おっきい!ふとってる!」お土産のねこ満にいきなりかぶりつくシゲオ君、8キロの巨体を揺すりねこ友にじゃれるミケちゃん(キレあり!)、螺旋階段の一番上でまずは我々を観察するフェデリコ君。久下さんのアトリエは子供部屋のよう。遊び心と好奇心がつまったこのアトリエから沢山の作品が生み出されているのだ。床にはいっぱい猫の足跡が・・・

ソファや椅子も猫たちの芸術作品と化している。「ここもそうなんですよ」とカバーをめくる久下さんはなんだかとても嬉しそう。夜は3匹と一緒にベッドで寝ていらっしゃるそうだが、皆がそばにいるのに猫の足音がするとおっしゃる。
シゲオ・ダ・ビンチ君

シゲオ・ダ・ビンチ君

アパート屋上エンパイヤステートビルが見える

アパート屋上
エンパイヤステートビルが見える


それは天国にいるマーベリック・クマちゃんが時々遊びに来ているのか、1800年代に建てられたというアパート、いろんな猫が住んでいたはず。「ゴーストキャット」が夜な夜な現れているのだろうか? 「今度ニューヨークにきたら一緒にバーベキューをしましょう」と約束してお別れする。